コラム

意外と難しい!リノベーション時の収納はどう考える?

 リノベーションプランを進めていくなかで、とくに難しいのが「収納」の考え方です。マンションの場合は戸建てと比べて収納量が不足しがちなので、収納場所や種類などを考えながら収納のプランニングを進めていく必要があります。

 今回は、リノベーション時の収納を考えるポイントや、クローゼットの種類、特徴を解説します。収納のプランニングで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

リノベーションの失敗事例で多いのが「収納」

 収納は「あれば便利」程度に考えている方が多いのですが、実は失敗事例でとくに多い部分なのです。

 リノベーションでは、限られた広さのなかで間取りや水まわりを変更するため、収納スペースを削る方が多く見られます。しかし収納が少ない家は、リノベーションが完成して実際に住んでみたら、収納量が足りなかったり、使い勝手が悪かったりして、後悔する方も多いのです。

 収納量は既製品の収納棚を購入することで確保できますが、収納スペースは簡単につくれるものではありません。リノベーション後に後悔しないためにも、プランを進める際には、収納についてもしっかりと考える必要があるでしょう。

マンションリノベで収納を考えるときに大切なポイント

 マンションリノベーションで収納を考えるときのポイントは「収納量と収納の種類」「生活動線」の2つです。それぞれ説明していきましょう。

  • 収納量と収納の種類

 収納プランを考えるとき、初めに決めておきたいのが「収納量」です。マンションの理想の収納量は床面積に対して8%~10%と言われており、70㎡のマンションであれば、5.6~7㎡程度を収納に充てるのが目安。これを畳数にすると3~4畳程度です。
必要な収納量は持ち物の量によって変わりますが、まずはマンションの床面積から収納量の目安を計算してみてください。

 次に考えるのが「収納の種類」です。例えば、以下のような収納方法があります。

  • リビング:書類やストック品を収納できる壁面収納
  • 洗面所:タオルや着替えなどをすぐに取り出せる造作棚
  • 廊下:家族の上着やカバンなどを収納できるファミリークローゼット

そして収納量と収納の種類を考えるときに注意したいのが、「リノベーションの場合は新たにスペースを増やせない」ことです。

 収納量を確保することも大切ですが、他の部分の広さも考慮しながら収納量と種類を考えてみてください。収納の種類については後ほど説明します。

  • 家事動線と生活動線

 収納を決めるときには「家事動線」「生活動線」を考えることも大切です。基本的に、使うタイミングが同じものや、一緒に使うものは同じ場所にまとめて収納しましょう。

 例えば、洗面室にタオル・下着・寝間着を収納できるスペースを設けておけば、入浴時にわざわざ部屋に下着と寝間着を取りに行く手間が省けます。家事をする際にも「洗濯→収納→使う」のサイクルがスムーズに行えるので、無駄な動きがなくなります。

 また、玄関横にファミリークローゼットやクローゼットを設けておけば、上着や帽子、カバンなどの着脱も玄関先ですべて完了。忙しい朝に、バタバタと部屋に物を取りに行くことはありません。
ほんの少しのことですが、生活・家事動線上に収納があるように工夫しておけば、暮らしがより快適になります。

 使うタイミングが同じものは同じ位置にまとめて収納できるよう、まずは家の中での動きを考えてみてください。

クローゼットにはどんな種類がある?

 クローゼットと一口に言っても、さまざまな種類があり、それぞれ特徴や使い勝手も異なります。ここでは、クローゼットの種類や特徴を確認しておきましょう。

  • 壁面クローゼット

 クローゼットの中で最もポピュラーなのが、壁面クローゼットです。奥行きが浅いことが特徴で、ハンガーレール付きで、衣類をかけて収納できます。壁面クローゼットは配置スペースを必要としないため、デッドスペースが生まれにくく、場所を有効活用できることがメリットです。

  • ウォークインクローゼット

 ウォークインクローゼットは、中を歩けるように奥行きのあるクローゼットです。大容量で収納物の管理がしやすく、着替えのスペースとしても利用できます。しかし、設置場所が必要なウォークインクローゼットは、室内面積を圧迫してしまうこともあります。マンションリノベーションで設置したいときには、とくに慎重に検討してください。

  • ウォークスルークローゼット

 ウォークスルークローゼットは、出入り口が2か所あり、通り抜けができるクローゼットです。寝室や洗面室、玄関ホールに設置すれば、通り抜けながら身支度ができるので生活動線がスムーズになります。
ただし、ウォークスルークローゼットは、クローゼット内を通り抜けるための通路が必要になります。さらに出入り口2か所には物を置けないので、デッドスペースが生まれることにも注意が必要です。

 また、「どことどこで出入り口をつなげるか」も重要なポイントとなるため、プランナーにしっかりと相談したうえで設置を検討してください。

まとめ

 リノベーションプランを考える際には、間取りや水まわりばかりに目が行きがちですが、収納こそこだわるべき部分です。

 基本的に、年数とともに持ち物は増えていきます。出産や子どもの成長、巣立ちなど、ライフスタイルの変化によって変わる持ち物の量を考慮したうえで、収納プランを考えることが大切です。そして、限られた空間を有効活用するためには、レイアウトや動線、クローゼットの種類など、考えるべきことがたくさんあります。

 そんな難しい収納プランニングを成功させるためには、プロに相談するのが一番です。Orcasa(オルカサ)には、収納のスペシャリストである、整理収納アドバイザーとインテリアコーディネーターが在籍しています。

 室内プランから収納プランまで一貫して提案し、デザイン性にもこだわったリノベーションを行います。収納でお困りの方やリノベーションを検討中の方は、問い合わせフォーム、または電話からお気軽にご連絡ください。