散らかっている部屋とそうでない部屋、違いはなんでしょう?どこからが散らかっているのでしょうか?明確なラインはなく、それぞれ人によって感じ方は違っていると思います。
30代の女性S様からご相談いただいた例をお話します。S様は60代のお母さまと同居されています。通常の整理収納アドバイスをご希望で、棚やテーブルが雑然としていていつも散らかっているというお悩みでした。
ところが、お家を拝見したところ物が多いわけでもなく、特に散らかっているという印象はありませんでした。それでもS様は棚やテレビ台などの周辺が気になるとのこと。お話していくうちに、S様とお母さまの片付け方の違いがストレスになっていることが分かってきました。
同居しているお母さまは『よく使う文房具や雑誌、薬や小物などを棚やテーブルの上に置いておきたい派』。書類など無造作に重なっているように見えてもご自分のルールで分けてまとめてあるので、分からなくなることも使いにくくもない……。
一方でS様は『棚やテーブルの上に何も置きたくない派』。棚の中も収納ケースを使ってラベリングをして物の位置はしっかりと決めているので、その位置が崩れたり溢れたりすると気になってしまう……。
テーブルの上に物を置いておきたい派と置いておきたくない派、親子でも自分にとっての「使いやすい状態」と「片付いている状態」の感じ方がかなり違っています。とはいえ一緒に暮らしている以上、共有で使うリビングやキッチンはお互いになるべくストレスを少なく、使いやすくする必要があります。そこで、時折アドバイスを挟みつつ、親子2人で一緒にルールを考えてもらいました。
・棚とテーブルの上は置いていい範囲、もの、数を決めてそれ以外は引き出しの中などにしまう。
・お母さまのものを何でも自由における場所と、一時的に置けるスペースを作ってそのスペースがいっぱいになったら片づける。
今回はこのルールを決めてしばらく生活してみることにしました。うまくいかない場合やイライラが多い場合はルールや収納方法の見直しをしていきます。複数の人が共有で使う場所はお互いへの配慮と時には少しの妥協をしながらみんなが気持ちよく使えるルールがあるといいですね。